絵日記あるいはネタ帖
金庸の「書剣恩仇録」同様、反清復明を志す人々が仲間と力を合わせてたたかう冒険活劇。
梁羽生作品は初めて読むので金庸作品との相違点をあげてみる。
・敵役が改心する
ガチで悪人に書かれているのは楚昭南と康煕帝ぐらい。私欲に走っていた者が義侠心をとりもどして味方になることすらある。すこしでも朝廷に疑問を持つ者は善、そうでない者が悪、ときっぱりした構図に分かれているので改心も劇的になるのか。
・女侠は優遇
人物にもよるけど、萌えよりも人柄や格好よさを重視した描き方。スイーツっていうな。女が色恋沙汰要員ではなく一人の侠客として活躍やら苦悩やらするのがいい。
・戦闘描写が長い
ひとたび激戦がおっぱじまると1対1でも延々と闘い続けるのでたまに疲れます。訳のせいか金庸に輪をかけて描写が細かいような。
・なんか知らんが漂局が強い
うそだ、2人ばかりでよその幇会本部に乗り込んでギタギタにする漂頭なんて!八方美人を宿命づけられた武林の中間管理職じゃなかったのか?「書剣恩仇録」と違いはっきりと味方についてくれる存在。板ばさみの悲哀というのも嫌いじゃないんだけどなあ。
以下人物紹介。(ネタばれ含む)
梁羽生作品は初めて読むので金庸作品との相違点をあげてみる。
・敵役が改心する
ガチで悪人に書かれているのは楚昭南と康煕帝ぐらい。私欲に走っていた者が義侠心をとりもどして味方になることすらある。すこしでも朝廷に疑問を持つ者は善、そうでない者が悪、ときっぱりした構図に分かれているので改心も劇的になるのか。
・女侠は優遇
人物にもよるけど、萌えよりも人柄や格好よさを重視した描き方。スイーツっていうな。女が色恋沙汰要員ではなく一人の侠客として活躍やら苦悩やらするのがいい。
・戦闘描写が長い
ひとたび激戦がおっぱじまると1対1でも延々と闘い続けるのでたまに疲れます。訳のせいか金庸に輪をかけて描写が細かいような。
・なんか知らんが漂局が強い
うそだ、2人ばかりでよその幇会本部に乗り込んでギタギタにする漂頭なんて!八方美人を宿命づけられた武林の中間管理職じゃなかったのか?「書剣恩仇録」と違いはっきりと味方についてくれる存在。板ばさみの悲哀というのも嫌いじゃないんだけどなあ。
以下人物紹介。(ネタばれ含む)
易蘭珠:気性の激しさと純粋さが相乗効果をあげている娘。母親とのエピソードは白眉。父親の男としての私怨を子供が晴らそうとするパターンは古龍の「多情剣客無情剣」でもあったね。向こうが息子なのに対してこっちは娘だけど、どちらも母親がらみで淋しい思いをした子には違いないし、親の間男討ちを代行するのが娘であってもいいのかもしれない。それにしても父姓をそのまま名乗らせずわざわざアナグラム名をつける意味はあるんだろか。
納蘭明慧:易蘭珠の母で満州人。自分で選んだ道とはいえ悲惨な人情話である。もう彼女が主人公でいいよ。いなくなった者らに対して罪の意識にさいなまれるシーンは読んでいてうわあぁぁとなった。王妃である自分の血をひく娘が生粋の滅満興漢主義者なんだもんなあ。父親の楊雲聡も子供が男子ならともかく、女の子には無難な生き方も許したれよ。彼が悲劇の原因といえば原因なんだよね。
凌未風:男主人公。一見型破りだが、奔放不羈な桂仲明と違って単に斜にかまえているだけの堅物。持病と幼なじみへの態度(ツンデレ)のせいで大人になりきれないすね者的イメージが強い。後半いつの間にか大侠扱いになっててびっくり。養女の易蘭珠を思う場面やハマーヤへの叱咤はいい感じ。
韓志邦:片思いに悩むお人好し男。天地会の操舵主だったとは思えないぐらいのシンプルマインドの持ち主。戦闘終了時には勝利のファンファーレが鳴り響いているに違いない。彼といい劉郁芳といい、とりわけ英傑というほどでもない人物が就くところをみるとその程度のポストなんだろうか操舵主。韓さんという呼称は萌える。
冒浣蓮:機転と知恵でとにかく活躍する少女。彼女と易蘭珠は似たような境遇のはずなんだが話の色合いはだいぶ異なる。フロイトばりの夢判断をまじえつつ桂仲明を看病して恋仲に。宮中潜入では美男美女の世界に突入、貴人と親交を深める…スイーツっていうな。それにしても桂仲明への「治療」はそのうち破綻するんじゃないかと心配になるくらい無理くりだった。
桂仲明:記憶喪失の少年として登場するが、伏線はあっという間に消化される。頭は悪くないが世間知らずなためにアホの子扱い。挑発行動ひとつとっても言動の小気味いい奴なのでもっと活躍してほしかった。
張華昭:しょっぱなからフェードアウトかと思いきや、花の似合う少女漫画野郎に進化していた。おおむね静かに恋情を燃やしている色恋沙汰要員。
楚昭南:とことん悪役な設定なので人物的にはほぼいいとこなし。乱闘中に攻撃をかわす→たまたま後ろにいた衛士が犠牲になるパターンが頻出する。
康煕帝:とことん悪役その2。常に冷笑を浮かべ、ときおり話の都合でマヌーになる人。
郝飛鳳:元オカマ、というかMtoFレズビアンでしたが色魔でもあったので成敗されました。歳のせいで女装できなくなるあたり悲哀だ。
それにしても映画のセブンソード(7剣)と話が違いすぎて吹いた。イメージ変わらないの傅青主ぐらいじゃないのか。もう一度観てみようかしら。
納蘭明慧:易蘭珠の母で満州人。自分で選んだ道とはいえ悲惨な人情話である。もう彼女が主人公でいいよ。いなくなった者らに対して罪の意識にさいなまれるシーンは読んでいてうわあぁぁとなった。王妃である自分の血をひく娘が生粋の滅満興漢主義者なんだもんなあ。父親の楊雲聡も子供が男子ならともかく、女の子には無難な生き方も許したれよ。彼が悲劇の原因といえば原因なんだよね。
凌未風:男主人公。一見型破りだが、奔放不羈な桂仲明と違って単に斜にかまえているだけの堅物。持病と幼なじみへの態度(ツンデレ)のせいで大人になりきれないすね者的イメージが強い。後半いつの間にか大侠扱いになっててびっくり。養女の易蘭珠を思う場面やハマーヤへの叱咤はいい感じ。
韓志邦:片思いに悩むお人好し男。天地会の操舵主だったとは思えないぐらいのシンプルマインドの持ち主。戦闘終了時には勝利のファンファーレが鳴り響いているに違いない。彼といい劉郁芳といい、とりわけ英傑というほどでもない人物が就くところをみるとその程度のポストなんだろうか操舵主。韓さんという呼称は萌える。
冒浣蓮:機転と知恵でとにかく活躍する少女。彼女と易蘭珠は似たような境遇のはずなんだが話の色合いはだいぶ異なる。フロイトばりの夢判断をまじえつつ桂仲明を看病して恋仲に。宮中潜入では美男美女の世界に突入、貴人と親交を深める…スイーツっていうな。それにしても桂仲明への「治療」はそのうち破綻するんじゃないかと心配になるくらい無理くりだった。
桂仲明:記憶喪失の少年として登場するが、伏線はあっという間に消化される。頭は悪くないが世間知らずなためにアホの子扱い。挑発行動ひとつとっても言動の小気味いい奴なのでもっと活躍してほしかった。
張華昭:しょっぱなからフェードアウトかと思いきや、花の似合う少女漫画野郎に進化していた。おおむね静かに恋情を燃やしている色恋沙汰要員。
楚昭南:とことん悪役な設定なので人物的にはほぼいいとこなし。乱闘中に攻撃をかわす→たまたま後ろにいた衛士が犠牲になるパターンが頻出する。
康煕帝:とことん悪役その2。常に冷笑を浮かべ、ときおり話の都合でマヌーになる人。
郝飛鳳:元オカマ、というかMtoFレズビアンでしたが色魔でもあったので成敗されました。歳のせいで女装できなくなるあたり悲哀だ。
それにしても映画のセブンソード(7剣)と話が違いすぎて吹いた。イメージ変わらないの傅青主ぐらいじゃないのか。もう一度観てみようかしら。
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