忍者ブログ
絵日記あるいはネタ帖
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



 ここ数ヶ月ブログほっぽいて何をやってたかというと、ヤンデレについて考えたりpixivのヤンデレタグを検索したりするのを日課にしてました(病んでますね)。

 自分も世の例にもれず「何らかの断絶やズレを強引に乗り越えようとする試みがヤンデレ」だの「野郎がヤンデレたるにはデレ対象よりも立場が弱くないと不可」だのとらちもない定義づけを試みたりしていたんですが、やがて窮屈さを感じるようになったのでこりゃ違うなと。テーマが恋愛以外の家族愛や友情でも、感情移入できりゃヤンデレだろうがヤンデルだろうが単なる変わり者だろうが何だっていいじゃないかと。
 私にかかりゃ天龍八部の蕭遠山(漢族にさらわれた息子を30余年にわたって追跡し、影から余計なことをしたり覆面姿で現れて勝手に運命を指し示したりする壮絶なストーキング・ダディ)にだって若干のヤンデレ分を感じますよ。でもきっとそれ普通ヤンデレって言わない!世間様とズレてる!だからもうヤンデレという言葉にこだわるのはやめたよ、とそういう結論に達したのでした。

とはいえ未だ語り足りないことがあるから下に続くよ!


・退廃ではなくカタルシスを。
 グロとかアンニュイのってよくないとおもいます、とまでは別に思わんけど必須要素でもないよね。不穏な演出だけでもスリルを感じられるし、極限状況のあまり狂ったように哄笑し続ける女の子などもとても暴力的で見ていてカタルシスを得られます。笑うことは健康にいいんだよ(?)!あるいはお祭の獅子舞を見て小さい子供は泣きじゃくるけど頭を噛まれることで無病息災、とかそんな効能をヤンデレにも感じるんです。
 退廃的な雰囲気は病みに説得力を出すための演出の一環に過ぎない。キモはむしろ擬似躁うつだと思うのです。底抜けの悲壮感とやけっぱちな祝祭気分。実際の躁うつ病は終わりのないジェットコースターみたいなものらしいので洒落にならんのですが、一時的な仮想体験なら自己と周囲環境の破壊(打破)→ゼロからの再創造というポジティヴで情熱的な力をうまいこと我々に与えてくれるかもしれないのです。

 まあ破壊と創造というとヤンデル人を偶像化しすぎかもしれないけど、少なくとも「何故この人はこういう仕儀に至ったのか」「このような事件をどうして防げなかったか」といった問題を痛烈に投げかけてくれるので、一見エゴとしか見えないヤンデレ個々人の行為にも普遍的な意義があるといえるでしょう。


・恋だの包丁だのの記号的なメロドラマではなく存在の代替不可能性を見せてくれ
 あれも愛、これも愛。ヤンデレは愛情の概念を拡大してくれる素敵な言葉だと思います。でも愛だから無条件で素晴らしいとか勘違いしてはいかん!こういうのはどっちかって言うとアガペーじゃなくて仏教的な愛、抜き差しならぬ執着なのね。ところでやおいのヤンデレなんてのを寡聞にして聞いたことがないんだけど、よく考えるとどちらも「現実の生活感覚からちょっと逸脱・乖離した非現実的な愛の形」を描いているという点でどこかかぶっちゃってるんだよね。ハヤシライスとビーフシチューが同じ食卓に並ぶようなものか。
 んでそんな逸脱しちゃった愛情というか執着(思い入れ)を支える大前提として、ヤンデレにとってデレ対象の人がいかにかけがえのない存在か、という点はいくら強調しても強調しすぎることはないんじゃないかと。ヤンデレ話はどこにでも転がっているような単なる修羅場と思われたら一気に形骸化・陳腐化してしまうものです(キャラ自体が濃ゆくて魅力的ならばそれでも十分愉快だろうけど)。とっかえがきかないからこそひとたび失くせば喪失感は埋めがたく、決定的な裏切りにあえば自暴自棄になる。同じく依存心や独占欲を持ってはいても、相手を単に財産やステータスだと思っている者には到底まねできないようなことをヤンデレはやってのける。ヤンデレのデレってそういうものだと思うんだけどな。


4/3追記:もちろんヤンデル人の不安定で頼りなげな姿を愛でるのも、一緒になってトコトン凹んでみるのも楽しみ方としては大アリだと思います(でも躁うつの躁の方に同調しすぎるとヤンデレ好きではなく本当の逸脱者になりかねないので注意だ)。自分で言っててなんだけど結局「癒し」の一語に集約されちまうのか。とはいえそこらへんの毒にも薬にもならない「癒して許して救ってあげる」趣向と違って色々考えさせられるぶん面白いんじゃないでしょうかヤンデレ。とりあえず不穏さに萌え。
PR


この記事にコメントする
Name
Mail
URL
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
[78]  [77]  [76]  [75]  [74]  [73]  [72]  [70]  [69]  [68]  [67
つぶやき
Twitterから生存状況をお送りします
    管理人
    HN:
    HP:
    忍者ブログ [PR]
    Designed by astrolaBlog